親権者は,どちらの親を親権者としたほうが子どもの福祉にとって利益となるかという観点から決められます。個々の事情によりますので一概には言えませんが以下のような傾向があるようです。子が乳幼児の場合には特別な事情がない限り母親が親権者になる場合が多いです(母性優先の原則)。他方,子どもがある程度の年齢に達している場合には子どもの意向が尊重されることになります。また,子の利益や福祉の点から判断するので,不貞行為などをした有責配偶者だからといって親権者になれないということは必ずしもありません。経済力については養育費の支払いを受けることによって解決できますので,必ずしも重要な要素とはなりません。その他,子どもの利益の観点から様々な事情を考慮して親権者が決定されます。
