家の相続問題は複雑でトラブルに発展するケースも多いため、弁護士に依頼して適切に進めていくのが望ましいです。
この記事では、家の相続手続きを弁護士に相談するメリットや注意点、選び方を紹介します。
家の相続や税金に関する悩みを弁護士に相談するメリット
親族内のトラブルとして起こりやすいのが、家の相続に関することです。ここでは、家の相続や税金に関する悩みやトラブルを弁護士に相談するメリットを紹介します。
分割のアドバイスが受けられる
家の相続について弁護士に相談するメリットは、分割のアドバイスが受けられることです。
家を相続した場合、分割する方法としては現物分割、代償分割、換価分割、共有分割などの方法があります。
それぞれの分割方法は以下の通りです。
- 現物分割:預貯金、現金などの遺産を相続人数で物理的に分ける
- 代償分割:一部の相続人のみが遺産を取得して他の相続人に対して代償金を支払う
- 換価分割:遺産を売却したうえで代金を相続人数で分ける
- 共有分割:遺産を複数の相続人の共有名義にする
相続人の置かれた立場や状況によって、不動産をどの分割方法にするのが適切か異なります。弁護士に依頼した場合、分割方法について具体的なアドバイスをもらうことが可能です。
家の価値を正しく把握できる
弁護士に家の相続について相談すると、家の価値を正しく把握することができます。
家の価値を評価する方法は複数ありますが、固定資産税や路線価、実勢価格などの算出方法があります。
収益物件の場合は収益性から価格を計算する方法もあり、その金額を正確に把握するのは簡単ではありません。
不動産や相続に関する知識が深い弁護士であれば、どの方法で金額を算出するかを含めて相談に応じてもらえます。
相続人との交渉を任せられる
弁護士に依頼することで、相続人の代理人として、他の相続人との交渉を任せられるメリットがあります。
相続人同士の話し合いだと、感情的になってしまい、スムーズな話し合いができずトラブルに発展する場合もあります。
このような場合、法律の専門家である弁護士が間に入って交渉すると、冷静に話し合いを進めることが可能です。
また、トラブルには至らなくても、親族同士でお金が絡む話をするのは気が重いという方もいるでしょう。
このような場合も、弁護士に依頼すると円滑に話し合いを進めていくことができます。
相続全般のトラブルを相談できる
弁護士に依頼すれば、相続全般のトラブルを相談することができます。
相続は家族の問題であるため、まずは家族で話し合うことが重要になります。しかし、家族という身近な存在であるため、意見が割れると自分たちだけで調整することは困難です。
このような場合も、弁護士に依頼することで相続人の連絡や調整を代行してもらうことができ、感情的なやりとりを行わずに解決に向けた話し合いができます。
弁護士はいかなる時も法的観点から依頼者の味方となり、他の相続人との話し合いも法的根拠に基づく冷静なやりとりが可能です。
相続問題について早期に弁護士に依頼しておくことで、トラブル防止にもつながるでしょう。
相続登記の手続き依頼ができる
相続関連の問題では、弁護士に依頼することで相続登記の手続きを依頼できます。相続登記の際は、登記申請書や戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などが必要です。
弁護士に依頼することで、依頼内容に応じた必要書類の作成や用意なども行ってくれるため、余計な手間をかけることはありません。
相続税に関する相談もできる
相続について弁護士に相談する場合、二次相続に備えた相続税対策も可能です。
最初の相続で受け取っていた相続財産の時価評価が高い場合、二次相続の際に多額の相続税が発生します。そのため、最初の相続の際には二次相続を見据えた対策が欠かせません。
なお、相続においては特例制度も設けられているため、うまく制度を活用することで相続税を減らすことができます。
弁護士に相談することで、自分たちの世代だけでなく、子どもや孫などにも不利益を被らないよう、二次相続に備えた相続税対策を行うことが可能です。
家の相続を弁護士に依頼する際の選び方
家の相続に関することは、弁護士に依頼するのがおすすめです。ここでは、家の相続を弁護士に依頼する際の選び方を紹介します。
他士業との連携がある
家の相続を弁護士に依頼する場合、他の士業と連携しているかどうかが重要な判断材料です。
相続においては、税金にかかわる相談や申告の代行を税理士、法律に関連する書類作成や手続きの代行は司法書士のサポートを受ける必要があります。
依頼内容に応じて専門家を探すとなると、手間や時間が多くかかります。
しかし、税理士や司法書士と連携している弁護士であれば相続問題を一括してサポートしてもらえるため、依頼者の負担を大幅に軽減することも可能です。
弁護士も基本的な知識は持っていますが、登記は司法書士、税金は税理士のように、スムーズに解決していくためにはそれぞれの専門家に依頼するのがよいでしょう。
相続問題に強みがある
家の相続に関する問題は、実績や専門知識が十分にある弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士にはそれぞれ得意分野があるため、全員が相続に対して積極的に取り組んでいるとは限りません。
弁護士事務所のWebサイトをチェックし、「相続案件をどれだけ扱っているか」「積極的に相続問題を行っているか」などを確認しましょう。
事務所全体の取り扱い件数だけでなく、弁護士個人の解決実績や経験年数などもチェックしておくことが望ましいです。
相談時にわかりやすく説明してくれる
相談時にわかりやすく説明してもらえる弁護士を選ぶのがポイントです。
相続問題は複雑な手順と法律知識が関わることもあって、法の専門的な知識を持たない一般人が理解するのは簡単ではありません。
しかし、相続問題を解決するにあたり、現状を理解することは重要です。
そのため、理解できるまで何度でも説明してくれて依頼主に寄り添い、わかりやすい言葉で説明してくれる弁護士は信頼できます。
弁護士には個人的な事情を隠さず伝える必要があるため、「この人は相談できる」と感じられるかどうかも重要です。
相談者に不利なことも指摘してくれる
家の相続について相談する場合は、相談者に不利なことも指摘してくれる弁護士は信頼性が高いです。
信頼できる弁護士は依頼主の利益を最大限守るために、依頼者にとってリスクとなる点も指摘してくれます。
例えば、依頼者の希望が法的に通らない場合、そのまま進めても実現は難しいでしょう。また、裁判になった場合の見通しも、悪い点を含めて伝えてくれると安心できます。
家の相続を弁護士に依頼する際にかかる費用
家の相続について弁護士に依頼する際は、相談料・着手金・成功報酬の費用が発生します。
相談料は弁護士事務所によって変わるものの、初回相談は基本的に無料で、以降は30分5,500円前後で設定しているケースが多いです。
相談する際には、相続する財産の種類や問題点、現状などの具体的な情報を用意しておくと、アドバイスも具体的に受けやすく相談にかかる時間も減らせます。
着手金は相続問題の内容によって異なりますが、約5〜60万円の範囲で設定されている場合が多いです。
弁護士に相続の業務を依頼する際に発生する報酬で、事件の成否に関係なく発生する費用となり、分割払いや後払いなどに対応している場合もあります。
成功報酬は、弁護士に依頼した問題の解決後、成功の程度に応じて支払う費用です。弁護士事務所によって基準が異なり、一般的には経済的利益の約4〜20%の中で設定されています。
例えば、遺産分割協議において300万円の相続ができた場合は、報酬金が17.6%に設定されているなら52.8万円が成功報酬費用です。
家の相続を弁護士に依頼する際の注意点
家の相続を弁護士に依頼する場合は、どのような点に注意したらよいのでしょうか。ここでは、注意点を詳しく解説します。
費用がわかりやすいか
家の相続を弁護士に依頼しようと検討している場合は、費用の明確さや、相場と比較した際の妥当性を調べておきましょう。
しかし、相続の問題は複雑であるため、弁護士に提示される費用が相場に比べて高いか安いか判断が難しい場合もあります。
弁護士に提示された費用はしっかりと確認し、納得したうえで契約しなければいけません。費用に関して不安を感じることがあれば、この段階できちんと伝えておきましょう。
また、着手金無料や成功報酬のみとしている場合は注意が必要です。初期費用が安く抑えられても、実費を多く請求されたり、多額の成功報酬を請求されたりするケースがあります。
連絡がスムーズで相談がしやすいか
弁護士への依頼を検討している場合は、連絡がスムーズで相談しやすいかどうかも重要なポイントになります。
相続問題は、親族間の感情的対立により長期化するケースも多いです。問題が長期化すると弁護士とのやりとりも増えるため、円滑にコミュニケーションを取ることが重要です。
弁護士は常に事務所にいるわけではなく、場合によっては別案件で出張していたり、対応に追われていたりする場合もあります。
相談したくてもすぐに連絡が取れず、ストレスが溜まるという依頼者も少なくありません。
しかし、信頼できる弁護士は、このような状況下においても「〇〇時以降に折り返します」のように依頼者が安心できるような配慮があります。
弁護士へ依頼する際は、レスポンスのスピードや対応も重視しましょう。
意見が同じ依頼者は同じ弁護士に依頼した方がいい
相続人全員が揉めていないのであれば、1人の弁護士に依頼することをおすすめします。
費用が高くなるのは、相続人全員がそれぞれ違う弁護士に依頼するケースです。それぞれに着手金や日当が発生するため、総費用は大きくなります。
相続人の一部で意見が合致している場合は、意見が同じ依頼者は同じ弁護士に依頼すると費用を抑えることが可能です。
しかし、この場合は最後まで揉めないというのが前提であり、途中で揉めてしまうと、再度弁護士を選び直す必要があります。
まとめ
この記事では、家の相続手続きや税金の相談を弁護士に依頼するメリット、注意点、選び方を解説しました。
家の相続は相続人同士のトラブルが発生し、大きな問題に発展していくケースも少なくありません。
相続が発生した際には、早い段階で弁護士に依頼しておくと、大きなトラブルを未然に防げる可能性もあります。
また、相続問題を適切に解決するためには弁護士の知識や実績が重要なポイントです。相続問題の解決実績があり、なおかつ相続問題に注力している弁護士に依頼しましょう。
家の相続や税金でお悩みなら、川崎つばさ法律事務所にお任せください。
相続に強い弁護士がトラブルの背景をじっくり聞き、できる限り円滑に解決できるように努めています。初回相談は無料で、電話でも受け付けています。
当事務所は依頼者と信頼関係を築くことや、スピード感を持った対応を心がけています。
税理士や司法書士などの他の士業や、査定や売却を依頼できる不動産業者とも連携しており、必要に応じてすぐに紹介可能です。
税理士と一緒に相談を受け、遺産の分け方によって相続税がいくらになるかのシミュレーションもできるため、まずはお気軽にご相談ください。