
無料相談サービスでは、借金や離婚、労働問題、相続など、現在進行形で抱えているさまざまなトラブルについて相談できます。
しかし、お金の心配をせずに相談できる一方、無料だからこその制限もあるため、事前にいくつか知っておくべきこともあります。
この記事では、弁護士に無料相談する場合の注意点やコツ、依頼先を決めるポイントについて詳しく紹介します。
弁護士との無料相談で注意すべきこと
弁護士との無料相談を行う際、スムーズに進めていくためには注意点を確認しておきましょう。ここでは、弁護士との無料相談で注意すべきことを解説します。
無料相談には時間や回数制限がある
弁護士との無料相談には、相談時間や回数に制限があるのが一般的です。相談時間は通常1回30〜60分で、初回のみ無料の場合が多くなっています。
また、「同じ内容の相談については3回まで」「同一人物の相談は半年に1回まで」のような制限がかかっている場合もあります。
限られた時間や回数の中での相談となるため、スムーズに相談するためにも、相談内容をしっかりまとめておくことが大切です。
相談内容が指定されている場合がある
弁護士との無料相談は、相談内容が指定されている場合もあるため注意しましょう。
例えば、「経済的に困窮している人のみ」「遺産相続に関連する相談のみ」のように、相談者の属性や相談内容が決められている場合があります。
無料相談を検討している場合は、事前に対応している相談条件や範囲を確認しておく必要があります。
書類作成などの依頼はできない
弁護士との無料相談では、基本的に書類作成などの依頼はできないため注意しましょう。
裁判に関する書類の作成や手続きには弁護士の力が必要ですが、無料相談はトラブルの解決ではなく、抱えているトラブルに対する法的な視点での相談やアドバイスが中心です。
書類作成や交渉などの業務を依頼する場合は、別途で契約を結んで料金を支払わなければなりません。
しかし、無料相談を通して書類の書き方や作成方法についての相談ができる場合はあります。
本人以外の相談はできない
トラブルを抱えている本人以外の相談ができないことも、弁護士との無料相談の注意点です。
本人以外が代理で相談をすると、情報の正確性が欠けていたり希望が伝わらなかったりします。プライバシーや個人情報保護の視点から、代理での相談は断られることが多いです。
「忙しい」「時間が取れない」という場合でも、無料相談を活用するのであれば、自身で相談する時間を確保しなければなりません。
しかし、本人が逮捕や勾留されているような場合は家族や知人が相談できる場合もあります。
事前予約が必要となる
弁護士との無料相談は事前予約制となっている場合が多いため、早めにスケジュールを確認して予約しておく必要があります。
当日に相談しようと思っても、担当弁護士がいなかったり、すでに他の予約が入っていたりする場合もあるため注意しましょう。
無料相談の時間を超えると有料になる
あらかじめ決められている無料相談の時間を超えると、有料になる場合があります。
無料相談の時間を超えた際の費用の取り決めに関しては、各法律事務所により異なります。相談が長くなりそうな場合は、追加料金がどれくらいかかりそうかを確認しておきましょう。
また、無料相談の時間を超えそうな場合は弁護士からお知らせがあるため、勝手に有料にされるようなことはありません。
弁護士との無料相談を上手に活用するためのコツ
弁護士との無料相談では、限られた時間の中でいかに相談してアドバイスをもらえるかがポイントです。ここでは、無料相談を上手に活用するためのコツを解説します。
事件の経緯を時系列にまとめておく
無料相談を活用する場合は、トラブルや事象の経緯を時系列にまとめて、スムーズに伝えられるようにしておきましょう。
具体的には、「いつ」「どこで」「誰が」「何をした」「なぜ」「どうしたい」などです。
経緯が時系列にまとまっていれば、弁護士も事実を整理しながら状況把握ができるため、適切なアドバイスがもらいやすくなります。
この場合の注意点として挙げられるのは、簡潔にまとめることです。情報が多くなると話がスムーズに進まず、無駄な時間を費やしてしまう可能性があります。
トラブルに関する資料を集めておく
トラブルに関する資料を可能な限り集めておくと、無料相談をスムーズに進めることができます。
法律トラブルを解決するためには、証拠や資料の確保が必要です。これらがあるかどうかで、その後の裁判の結果を左右するといっても過言ではありません。
自分では証拠にならないと思っている資料でも、弁護士の視点からは証拠になるものもあります。迷った場合は自分で判断をせず、まずは弁護士に見てもらいましょう。
弁護士の話をメモに取る
弁護士との無料相談の際には、アドバイスを忘れないようにメモを取っておきましょう。
法律問題は複雑な場合が多いことに加え、専門用語も多いため、アドバイスの中身がすべて理解できない場合があります。
メモを取っておくことで、後からゆっくりと状況を整理し、今後の行動や対応の判断にも役立つでしょう。
メモを取る場合は、事前に弁護士に伝えておけば問題ありません。ボイスレコーダーに関しては不可の場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。
自分に不利なことも正しく伝える
弁護士に相談する際は、自分が不利になる内容でも正直に正しく伝えることが大切です。
不利な事実を伝えると有利に物事を進められないと思う方もいますが、不利な事実を隠したまま弁護士に依頼して後からバレると、信頼関係が維持できなくなります。
また、裁判で争っている際に自身が不利になる証拠を相手が出してくる場合もあります。
事前に不利な事実を知っていれば弁護士が対処できる場合もあるため、包み隠さず素直に相談することが重要です。
最終的な希望を明確にしておく
弁護士に無料相談する際は、最終的な希望を伝えられるように気持ちを整理しておきましょう。
発生しているトラブルによって、解決方法や結果は異なります。例えば、「離婚の慰謝料や損害賠償請求をしたい」「嫌がらせをやめさせたい」「刑事告訴したい」など、さまざまです。
現在のトラブルについて、どんな解決策を望んでいるかや、どうしていきたいかを明確にしておくと、弁護士は適切なアドバイスがしやすくなります。
最終的な希望を明確にしておくと、気持ちや考えも整理しやすいでしょう。
早い段階で相談する
弁護士に無料相談するタイミングは、できるだけ早い段階が望ましいです。
相談するのが遅くなると、初動の対応を間違ってしまうことでトラブルが複雑化し、解決に長い時間を要する可能性があります。
また、弁護士のアドバイスを受けずに対応したことで、自身にとって不利な方向に物事が進み、有利にトラブル解決を進められないケースも想定されます。
弁護士はトラブルが起こる前の相談にも対応しているため、早く相談することで未然に防いだり、有利に解決することも可能です。
トラブルをこれ以上大きくせず、問題を有利に解決していくためにも、迷わず早い段階で相談しましょう。
無料相談後に契約を判断するポイント
無料相談を行ったからといって、相談した弁護士と必ず契約しなければならないというわけではありません。ここでは、無料相談後に契約を判断するポイントを解説します。
弁護士が提示する解決策や専門性
無料相談後に契約を判断するポイントとして、弁護士が提示する解決策が挙げられます。
弁護士によって得意分野や対応方法は異なるため、継続して依頼するのであれば、自分が抱えているトラブルに強い弁護士選びが大切です。
例えば、離婚問題であれば離婚の問題を多く解決してきた実績のある弁護士に依頼することで、トラブルを解決しやすくなります。
相談内容のトラブルに強い弁護士であれば、アドバイスもより具体的で、解決に向けた道筋がイメージしやすくなるでしょう。
相談のしやすさ
無料相談後に契約するかどうかを判断するポイントとして、相談がしやすく相性がいいことも挙げられます。
契約後は、弁護士と連携しながらトラブル解決に向けて進めていく必要があります。
どれだけ実績があって優秀な弁護士でも、一方的だったり、口調が強かったりするとコミュニケーションも取りにくくなるでしょう。
場合によっては、コミュニケーション不足により対応が遅れてしまうリスクも生じます。そのため、弁護士との相性は法的なトラブルを解決するうえで重要な要素です。
無料相談では、契約後も想定して「話しやすいか」「安心できるか」などもチェックしておきましょう。
連絡のスムーズさ
弁護士との無料相談では、連絡のスムーズさにも着目し、契約するかどうかの判断材料にするのもよいでしょう。
トラブルを抱えている人にとって、何かあった場合には、すぐにでも弁護士に相談して見解を聞きたいと思うのが普通です。
弁護士の中には質問に対する回答に時間がかかったり、連絡がつきにくかったりする場合もあります。
もちろん、弁護士が質問内容を慎重に調査しているという理由で、連絡が取りにくくなる場合もあるでしょう。他の案件も抱えている弁護士も、すぐに対応できない場合があります。
しかし、このような場合でも依頼者が安心できるように「〇〇日までには回答します」のような連絡は可能です。
抱えているトラブルの内容次第では、弁護士と長期的に関わっていく可能性もあります。無料相談時には、「連絡がスムーズにとれるか」「連絡が丁寧か」などにも注目してください。
提示される費用
無料相談をした後に契約するかどうかは、弁護士から提示される費用も判断材料の一つです。
弁護士費用は各弁護士が自由に決めているため、同じ事案であっても実際にかかる費用は依頼先によって異なります。
無料相談をしたものの、その後に提示される費用が相場に比べて高い場合は、契約を見送っても問題ありません。
しかし、費用には着手金や成功報酬、時間制報酬などさまざまな種類があるため、トータルで判断することが大切です。
例えば、着手金無料や成功報酬などの場合、成功報酬が高額になる可能性もあります。
事前に弁護士会のサイトなどを参考に大まかな相場を把握しておくと共に、無料相談時にどれくらいの費用がかかるか確認しておくとよいでしょう。
まとめ
この記事では、弁護士に無料相談する場合の注意点や活用のコツ、依頼先を決めるポイントを解説しました。
弁護士の無料相談サービスを利用することで、法律の専門家にお金をかけず、現在抱えているトラブルの相談ができます。
一方、無料相談には時間制限や回数制限があるため、スムーズに相談するためにも、事前に相談内容をまとめておくことが大切です。
また、相談後に契約を考えている場合は相談のしやすさや、弁護士の専門性、連絡のスムーズさがポイントになります。
法律についてのお困りごとなら、川崎つばさ法律事務所にご相談ください。当事務所は、11人の弁護士が在籍している川崎地域の大規模事務所です。
初回面談の相談料は無料で、さまざまな分野の専門弁護士が在籍しており、トラブルの内容に応じた弁護士が的確なアドバイスを行います。
当事務所では、ご依頼者様のお話をよく聞き、相談しやすい雰囲気のもと、信頼関係を築いていきます。
また、お支払い方法についても個別の事案により、着手金の後払いや完全成功報酬での受任も可能です。まずは、お気軽にご相談ください。